ウィークリー レポート −今週の相場見通し−     清水洋介

 

金融不安は薄れたものの、景気回復鈍化懸念が強まり、下値を探る展開

 

指数 寄り付き  高値  安値  終値  前週比 
日経平均(6月28日〜7月2日) 9,693.94 円 9,693.94 円 9,191.60 円 9,203.71 円 ▼ 533.77 円
NYダウ(6月28日〜7月2日) 10,138.52 ドル 10,138.52 ドル 9,686.48 ドル 9,686.48 ドル ▼ 457.33 ドル


今週の相場見通し

米国市場

先週の米国市場は経済指標が予想を下回り景気回復鈍化が取り沙汰されて下値を試す動きとなりました。一週間を通して指数は下落となるなど、いいところなく下押した格好ですが、ISM製造業景気指数にしても、雇用統計にしても悲観的に見すぎているような気がします。欧州金融不安が薄れたこともあり、資金的な流れは問題なさそうですが、ヘッジファンドなどの手仕舞い売りが続いたことで、悲観的な見方が強まったものと思われます。

今週は月曜日が休場となり、火曜日からの始まりですが先週末の雇用統計の影響から始まりそうです。ただ、これまでの悲観的な見方は一段落となるものと思われ、連休明けのヘッジ売りの買戻しなどが見られて指数が底堅くなれば、逆に楽観的に見直す動きとなるかもしれません。来週初に発表になるISM非製造業景気指数も悲観的に見る傾向にあるのでしょうが、この数字が予想通り、あるいは予想を上回って堅調な景気の回復を示すことになれば、センチメントも一気に変化する可能性はあると思われます。逆に悪化する数字などが示されるとまた、悲観的な見方が強まってしまうものと思います。

今週は火曜日の朝にISM非製造業景気指数の発表があり、製造業の景気指数が芳しくなかっただけに大いに注目されます。また木曜日の朝には新規失業保険申請件数が発表になり、先週末の雇用統計の発表を受けて動きはありそうです。木曜日の引け後の消費者信用残高や週末の朝に発表される卸売売上高・在庫も個別企業の決算動向などと同様に市場への影響はあるかもしれません。


日本市場

先週の日本市場は週末にようやく目先筋の買戻しもあって底堅さが見られたものの、見事に下値を試す展開となりました。持高調整の売りが続き、5月、6月の安値水準をあっさりと割り込むというような状況で、信用収縮が顕著に見られた週となりました。6月までで持高調整の売りも終わると思われましたが、好調な日銀短観を見ても売りは止まらず、ようやく米国雇用統計を控えて週末に手仕舞いの動きで持高調整も一段落となった感じです。週明けから再び持高調整の売りが出るのかどうかが懸念されます。

目先の需給に振らされる展開は続きそうです。ただ、先週末の米国雇用統計を受けても米国市場は比較的最後は底堅さが見られたように売り厭き気分も強まり、ヘッジファンドなどの売りが止まれば買戻しを急ぐ動きも見られるのかもしれません。為替にも落ち着きが見られることから、底堅さが見られ、これまでの不安材料も徐々に楽観的に見られるようになってくれば戻りを試す動きに変化してくるものと思います。

先週は全くと言っていいほど経済指標などの影響はなく目先の需給に振らされる格好となりましたが、今週は火曜日に景気動向指数、木曜日に機械受注とマネーストックの発表があり本来であれば、相場にも影響を与えそうですが、どこまで反応があるのか注目されます。そして木曜日の引け後には工作機械受注や景気ウォッチャー調査があり、景気回復鈍化懸念が強いなかで注目されることになりそうです。



米国市場テクニカル分析

NYダウ

25日移動平均線がサポートとならず、いったん割り込むと下値を探る展開となりました。25日移動平均線と75日移動平均線の乖離がまた広がってしまったのですが、25日移動平均線と指数の乖離も大きく底堅さが見られ、25日移動平均線までは戻りを試す動きとなりそうです。


来週の予想レンジ      9,500.00ドル 〜 10,100.00ドル


NASDAQ

75日移動平均線を抜け切れず、25日移動平均線ではサポートされず一気に下落となりました。下値を探る展開ですが、25日移動平均線と75日移動平均線との乖離も広がっており、25日移動平均線と指数の乖離も大きくなっており、底堅さは見られるものと思います。


今週の予想レンジ      2,000.00pt 〜 2,200.00pt


CRB指数

25日移動平均線と75日移動平均線はもう少し乖離が縮小するかと思われましたが、あっさりと指数が25日移動平均線を割りこんで再び乖離が広がりそうです。ここが正念場という感じで、週初に25日移動平均線を抜ければ75日移動平均線までの戻りは期待されますが、抜けきれないと再び下値を試す動きとなってしまいそうです。


今週の予想レンジ      250.00pt 〜 260.00pt



日本市場テクニカル分析

日経平均

25日移動平均線と75日移動平均線の乖離や指数と移動平均線の乖離が広がりすぎたことで、底堅さは見られ、戻りを試す展開となるものと思います。ただ、25日移動平均線の抵抗の強さが確認されてしまったことで、戻りを試す場面でも25日移動平均線に上値を押さえられてしまうものと思います。


今週の予想レンジ      9,050.00円 〜 9,700.00円


TOPIX

移動平均線との乖離が大きく、底堅さは見られるものと思います。25日移動平均線と75日移動平均線との乖離も大きくなっており、乖離を縮小するように25日移動平均線の水準までは戻るのではないかと思います。25日移動平均線を一気に抜けるような展開になるのかどうかが注目されます。


今週の予想レンジ      820.00pt 〜 870.00pt


日経ジャスダック平均

25日移動平均線を割りこんで下値を試す展開となりました。5月の安値を下回るようなところでは移動平均線との乖離も大きくなったことで、底堅さも見られましたが、まだ下値を探る展開も続きそうです。週初に底堅さが確認されれば25日移動平均線までの戻りを試す動きとなるものと思います。


今週の予想レンジ      1,220.00円 〜 1,250.00円


ドル円

2月、3月、5月の安値を割り込み、下値を探る展開となりましたが移動平均線との乖離も急激に広がったことで、売られすぎとなっているようです。底堅さは確認されるものと思われますが、75日移動平均線も下落に転じたことや25日移動平均線と75日移動平均線との乖離も広がっているところであり、戻っても25日移動平均線では上値を押さえられてしまうものと思います。


今週の予想レンジ      1ドル=87.00円 〜 90.00円



今週のトピック

マネーストック

マネーストックとは従来は「マネーサプライ」と言われたもので、通過供給量(Money Supply)=金融機関と政府を除いた経済主体、つまり一般の法人・企業や個人、地方公共団体等が保有する通貨の量です。現金通貨、普通預金、当座預金、定期預金、外貨預金、譲渡性預金(CD)などをその合計する範囲にしたがって、M1、M2、M3、広義流動性と4つの指標としています。公表時期は月次で、対象月の翌月第6営業日に速報が公表されます。(3、9月分は第8営業日)

マネーストックは、通貨の量を示す指標であり、すぐに使える普通預金に多くお金が流れているのか、それとも将来に備えて定期預金に多く流れているのかなど、「お金の流れ」を掴むためにこの統計は利用されます。したがって日銀の金融政策のなかで、お金の流れの方向を見極め、滞らないように流れを変化させるようなときの判断材料とされるものの一つです。たとえば、すぐに資金が移動してしまうであろう普通預金や当座預金が多くなると、次にその資金が「モノ」に流れる可能性も高くなるのです。逆に固定されてしまうようであれば、お金の流れが止まり、「モノ」が動き難くなる可能性があるということなのです。

また、「マネタリーベース統計」=日本銀行が金融部門を含めた経済全体に供給する通貨量を集計した統計もマネーストック統計の前に発表され、資金が日銀に滞留しているのか、あるいは金融機関に滞留しているのがか、どこで資金の流れが止まってしまっているのかなどを見るものとして使われます。つまり、お金の流れから経済の情勢を知る上で重要な統計ということになります。先週末に金融緩和期待が高まりましたが、いくら金融緩和をしてもお金が流れないことには意味がないということで、お金の流れをこの指標で確認しても良いと思います。


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