ウィークリー レポート −今週の相場見通し−     清水洋介

 

欧州金融不安は一段落、米国では住宅や雇用の改善が課題、中国元の切り上げは好感されそう

 

指数 寄り付き  高値  安値  終値  前週比 
日経平均(6月14日〜6月18日) 9,879.85 円 10,067.15 円 9,879.85 円 9,995.02 円 △ 289.77 円
NYダウ(6月14日〜6月18日) 10,190.89 ドル 10,450.64 ドル 10,190.89 ドル 10,450.64 ドル △ 239.57 ドル


今週の相場見通し

米国市場

先週は引き続き欧州金融不安なども取り沙汰されましたが、金融規制強化の動きも一段落となったこともあり、信用収縮が一段落となったことから、戻りを試す展開となりました。新興国を中心に足元の企業業績は好調ということで堅調な地合いが続きましたが、一方で住宅関連指標、個人消費関連指標、雇用関連指標などの経済指標にはかげりの見られるもの、改善が一服となるものも見られ、順調な景気回復は見られるものの金融不安や金融規制強化の影響も取り沙汰されて戻りも限定的となりました。商品市況も順調に戻ったものが戻り一服となり、再び押し目を探る展開となっているものも見られます。

今週はまずは中国元の切り上げの影響から取り沙汰されそうですが、中国の景気の伸びが鈍化することは懸念される一方で輸出企業にとっては恩恵があるということで影響も限定的となって来そうです。欧州金融不安や金融規制強化、米国でのFOMC(公開市場委員会)を控えての金融規制強化なども取り沙汰されそうで戻り一服となりそうですが、一時期のような信用収縮からの持高調整の売りが一段落となった感もあり、底堅さも見られるものと思います。引き続き金融不安などの「先行きへの不安」と足元の企業業績が好調となっている「安心感」がせめぎ合い底堅いながらも上値の重いような展開となるのでしょう。

今週も住宅関連の指標の発表が多く、改善が見られれば景気減速懸念が出ているだけに反応は大きいと思われます。火曜日は中古住宅販売とFHFA住宅価格指数、そして水曜日は新築住宅販売にFOMC(連邦準備理事会)も開催されます。木曜日はいつもの新規失業保険申請件数と耐久財受注、そして週末にはGDP(国内総生産)の確定値が発表になります。いずれにしても景気減速の懸念が出ているので、堅調な景気回復を示す指標が見られるのか同かが大いに注目されます。


日本市場

先週の日本市場は週前半は米国株高などに連れて堅調となり、底入れ確認となりました。欧州金融不安や金融規制強化懸念が薄らぎ、中国の金融引き締め懸念も一服、米国でも経済指標が強弱まちまちとなったのですが、悪い方には反応が鈍く、持高調整の売りが一巡、信用収縮が一服となったことから、堅調な展開となりました。週後半はさすがにスピード調整となりましたが、悪材料の反応が引き続き鈍いところを見るとだいぶあく抜けとなって来たのではないかと思います。

今週は中国元の切り上げの影響が取り沙汰されていったんは上値の重い展開となりそうです。米国の経済指標にも改善にかげりの見られるものもあり、中国元切り上げの影響を見極めたいということもあって、少なくとも積極的に買い上がり難いものと思います。中国元の問題は日本企業全体としてはほとんどニュートラル、影響はないものと思われますが、中国経済の伸びが鈍化するのではないかとの懸念が取り沙汰される可能性も高く、上値を押さえる要因となりそうです。中国などの新興国経済が世界景気を牽引しているようなところもあり、影響も大きくはなっているのでしょうが、中国の内需、新興国の内需が好調ということもあり、これまで思われていたよりも実際には影響は少ないものと思われ、嫌気される場面でも底堅さは見られるものと重います。

今週は週初から百貨店売上高やコンビニエンススト売上高、火曜日にチェーンストア売上高と小売りの指標が発表になります。特に百貨店はそろそろ底入れも注目されるところであり、底入れ感だがでれば敏感に反応して来るものと思われます。週末には消費者物価指数(CPI)が発表になり、これもまた下げ止まりが見られれば「デフレ脱却期待」が強まるのでしょうが、まだまだマイナスが続くものと思います。



米国市場テクニカル分析

NYダウ

いったん25日移動平均線に上値を押さえられたもののすぐに抜けて堅調な展開となりました。75日移動平均線を意識して上値の重い展開となりそうですが、この水準を保てれば週末には25日移動平均線が下げ止まり、上昇に転じる可能性もあり、堅調な地合いが期待されます。目先的な過熱感から押し目を確認する動きとなっても25日移動平均線はサポートとなるものと思います。75日移動平均線をあっさりと抜けるようであっても、いったんは75日移動平均線のサポートを確認するような動きとなるのでしょう。


来週の予想レンジ      10,200.00ドル 〜 10,550.00ドル


NASDAQ

25日移動平均線は下げ止まりそうですが、逆に75日移動平均線は下落となり、いったんは75日移動平均線に上値を押さえられるような展開となりそうです。それでも押し目を確認する場面でも25日移動平均線にはサポートされるものと思われ、上値は重いものの底堅い展開となりそうです。週の早い段階で75日移動平均線を抜けてきても、いったんは75日移動平均線のサポートを確認するような動きが見られるものと思います。


今週の予想レンジ      2,150.00pt 〜 2,350.00pt


CRB指数

節目となっていた5月28日の戻り高値水準=5月7日の安値水準=2月の安値水準を抜けたことで、底入れ感は強まりましたが急反発となったあとだけに75日移動平均線を意識する水準では目先的な過熱感から上値の重い展開となりました。いったんは抜けて来た節目=260割れ水準での底堅さを確認するような展開となるのかもしれませんがまだ上値は75日移動平均線に押さえられてしまうのでしょう。


今週の予想レンジ      255.00pt 〜 270.00pt



日本市場テクニカル分析

日経平均

9,800円から900円の節目を抜けたことで、5月27日と6月9日の安値が「ダブルボトム」となり、当面の底値となったものと思われます。今週はようやく25日移動平均線の下落が止まりそうで、ますます底入れ感が強まるものと思います。急騰となってもさすがに一気に75日移動平均線を抜けるということはなさそうで、節目での底堅さを確認する動きが続くのではないかと思います。


今週の予想レンジ      9,800.00円 〜 10,400.00円


TOPIX

25日移動平均線を抜けたのですが移動平均線の下落に合わせてサポートを確認しながら底堅さを確かめるような動きとなっています。900ポイント前後の節目までは戻ったので、こんどはこの水準を抜けるのかどうかが注目されます。ただ、節目でのもみ合いで底堅さを確認してから、上値、戻りを試すという展開になりそうで、今週は先週に引き続き25日移動平均線のサポートを確認しながら強含みのもみ合いとなるものと思います。


今週の予想レンジ      870.00pt 〜 910.00pt


日経ジャスダック平均

25日移動平均線と75日移動平均線が「デッドクロス」となりましたが、25日移動平均線は上回っており、25日移動平均線も下げ止まり、反発するところでもあり、強含みとなりそうです。75日移動平均線に上値を押さえられてはいるものの、週の早いうちに抜けて今度は75日移動平均線がサポートとなって来るものと思います。一気に逆に25日移動平均線と75日移動平均線が「ゴールデンクロス」となって来る可能性もありそうで、強含みの展開が続くのではないかと思います。


今週の予想レンジ      1,240.00円 〜 1,290.00円


ドル円

25日移動平均線と75日移動平均線が「デッドクロス」となり、25日移動平均線を割り込んでしまいました。下値を探る展開となっていますが、75日移動平均線はまだ上昇が続いており、75日移動平均線と大きく乖離するところでは底堅さも見られるものと思われ、25日移動平均線の下落が止まればますます下値不安が薄れて下値を確認しながら戻りを試すことになるのでしょう。底堅い堅調な展開が期待されます。


今週の予想レンジ      1ドル=89.00円 〜 92.00円



今週のトピック

米FOMC(公開市場委員会)

アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)が年に8回、定期的に開催する米国金融政策の最高意思決定会合です。FF(フェデラルファンド)レートと言われる短期金利の誘導目標や公定歩合、預金準備率などや公開市場操作の決定などを行うものです。FRBの理事7名と各地区の連邦準備銀行総裁5名(ニューヨーク連銀総裁と持ち回りで選ばれる4名)で構成されており、議長はFRB議長、副議長がニューヨーク連銀総裁が担当します。

約6週間ごとに年8回開催されるのですが、かつての株価大暴落時やエンロン事件、2007年8月の緊急利下げ、昨年からの何度かの緊急な利下げなどの金融政策などは通常の公開市場委員会とは別に臨時に開催されて、金融政策が決定されることになりあす。また、議論の内容、政策についてFRB議長から終了後に報告され、そのコメントの一言一句が注目されるものとなっています。

今回は欧州金融不安が米国景気に与える影響や中国元の切り上げ問題も取りざたされそうです。政府の施策もあり住宅関連などにも回復の兆しが見られていたものの、先月あたりから、個人消費、雇用、住宅関連の指標に再びかげりも見られ、そのあたりをどのように判断してくるのかが注目されます。金利を動かすようなことはまずないと思われ、インフレ懸念がないこともあり、金融不安や為替の混乱を防ぐためにも超低金利継続もはっきりと打ち出してくるものと思われます。景気認識で危機感を持っているようなコメントが見られれば、市場では好感する動きとなるものと思います。


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