ウィークリー レポート −今週の相場見通し−     清水洋介

 

欧米の金融規制強化懸念から信用収縮が進みリスク資産圧縮の動きが加速、世界同時株安、商品安

 

指数 寄り付き  高値  安値  終値  前週比 
日経平均(5月17日〜5月21日) 10,235.76 円 10,242.64 円 9,784.54 円 9,784.54 円 ▼ 677.97 円
NYダウ(5月17日〜5月21日) 10,625.83 ドル 10,625.83 ドル 10,068.01 ドル 10,193.39 ドル ▼ 426.77 ドル


今週の相場見通し

米国市場

先週はギリシャ問題に端を発した金融不安が世界的な広がりを見せ、欧米での金融規制強化の動きや中国での金融引き締め懸念から、急速に信用収縮=リスク許容度の低下となり、大幅下落となりました。金先物や原油なども大きく売られ、好調な経済指標への反応も鈍く、経済指標の悪化には敏感に反応するような格好で大きな下落となりました。

今週は先週末に一段落となった信用収縮の動きが続くのかどうかが注目されます。経済指標や金利動向には関係なく、欧州金融不安や米国の金融規制強化の動き、そして中国の金融引き締め懸念が強まるのかどうかが相場を左右することになるものと思います。ヘッジファンド等のリスクをとって投資をしているような投資家や投機家が信用収縮でリスク資産を圧縮しており、金融市場の落ち着きからそうしたリスク資産を圧縮する動きが続くのかどうか、目先の需給次第と言うことになりそうです。また、金融市場の混乱が実体経済影響があるのではないかとの見方が強まると景気減速懸念から一段安となってしまいそうです。

今週は金融不安が実体経済に影響しているのかどうか経済指標の動向にも敏感に反応してきそうです。月曜日はシカゴ連銀景気指数と中古住宅販売、火曜日にはS&P/ケース・シラー住宅価格指数とFHFA住宅価格指数、消費者信頼感指数と週初から重要な発表が多く、水曜日は耐久財受注と新築住宅販売、木曜日はGDP(国内総生産)と新規失業保険申請件数、そして週末には個人消費支出・個人所得、シカゴ購買部協会景気指数などの発表があり、最後まで景気指標の動向にも影響されて右往左往することになりそうです。


日本市場

先週の日本市場は海外での金融不安や金融規制強化、金融引き締め懸念などから世界的な信用収縮の動きとなり、ヘッジファンドなどのリスク資産圧縮の動きから大幅下落、指数は節目と見られた水準を次々と割り込み日経平均は10,000円割れ、TOPIXは900ポイント割れとなってしまいました。決算もほぼ出揃い、足元の業績を評価して底堅い銘柄も散見されましたが、業績面とは関係のないところでの手仕舞い売りなどもあり、下押す要因となったものと思います。

今週は米国市場と同様に金融不安や金融規制強化の動きから圧縮されたリスク回避の売りが続くのかどうか、世界的に景気減速の懸念があるとして足元の好業績には反応せず、先行きへの不安ばかりで売られるにかどうか、目先の需給次第と言うことになりそうです。「懸念」はあるんものの、足元の景気減速感はほとんどなく、底堅さも見られるのかもしれません。

今週は週末の消費者物価指数(CPI)や家計調査、有効求人倍率、完全失業率に商業販売統計の発表がありますが、週末以外は主要な経済指標の発表も少なく、米国など海外市場の動向やヘッジファンド等の動きなど目先の需給要因に反応することになりそうです。為替に落ち着きが見られれば信用収縮の動きが一段落となったと考えられ、底堅さが確認されると戻りを試す動きとなるのでしょうが、まだまだ底値堅めと言うことなのだと思います。



米国市場テクニカル分析

NYダウ

先週は週初に75日移動平均線を割り込み、75日移動平均線の抵抗を確認すると一気に下落、下値を探る展開となりました。2月の安値水準を意識するところ=10,000ドルを割り込むところでは底堅さも見られ、買戻しも入りましたが、まだ下値を探る動きが続きそうです。ここから急反発とならなければ、25日移動平均線と75日移動平均線は「デッドクロス」となりそうで、下値を探りながら反発の機会を窺うことになるのでしょうが、いったんは25日移動平均線に上値を押さえられることになりそうです。


来週の予想レンジ      9,800.00ドル 〜 10,600.00ドル


NASDAQ

いったんは75日移動平均線にサポートされたものの、割り込んで下値を探る動きとなりました。昨年11月などにもみ合いとなった水準=2月の安値水準を意識するところで下げ渋りとなりましたがここから急反発とならなければ25日移動平均線と75日移動平均線が「デッドクロス」となりそうで、上値の重い展開となりそうです。ただ、移動平均線との乖離が大きく底堅さは見られ、いったんは下落が続く25日移動平均と近づくところまで戻るのではないかと思います。


今週の予想レンジ      2,200.00pt 〜 2,300.00pt


CRB指数

2月の安値を下回り一気に昨年9月の安値水準を窺う展開となりました。25日移動平均線と75日移動平均線はあっさりと「デッドクロス」となり、下落が加速された面もありそうですが、移動平均線との乖離も大きくなっており、底堅さを確認して25日移動平均線までの戻りは期待されるのではないかと思います。


今週の予想レンジ      245.00pt 〜 265.00pt



日本市場テクニカル分析

日経平均

一気に2月安値を割り込んでしまいました。25日移動平均線と75日移動平均線との「デッドクロス」は間違いなさそうで、下落トレンド=調整が確認されてしまいましたが、移動平均線との乖離も大きく、そろそろ底堅さも見られそうです。いったん底堅さが見られると一気に25日移動平均線まで戻すことになりそうです。


今週の予想レンジ      9,500.00円 〜 10,500.00円


TOPIX

75日移動平均線を割り込んで一気に2月安値水準まで下落となりました。ここから急反発とならなければ、25日移動平均線と75日移動平均線が「デッドクロス」となりそうで、いったん調整、下値を探る動きとなりそうです。それでも移動平均線との乖離も大きくなっており、いったんは25日移動平均線までの戻りを試すことになるのでしょう。


今週の予想レンジ      850.00pt 〜 920.00pt


日経ジャスダック平均

75日移動平均線を意識していったんは底堅さも見られたのですがあっさりと割り込んでしまいました。それでもここから切り返して75日移動平均を抜ければしっかりと75日移動平均線にサポートされた格好となり、25日移動平均線を目指すことになるのでしょう。25日移動平均線と75日移動平均線の乖離が縮小しているところであり、早い段階で25日移動平均線まで戻れば調整一巡感から再び上昇トレンドとなるものと思います。


今週の予想レンジ      1,235.00円 〜 1,290.00円


ドル円

いったん75日移動平均線にサポートされるかのような展開となりましたがあっさりと割り込みました。それでもまだ25日移動平均線と75日移動平均線の乖離が縮小している段階であり、75日移動平均線も上昇が続いており、25日移動平均線と75日移動平均線が近づいたところで、一気に抜けるような展開になれば、かなり強い展開と言うことになり、上値が期待されます。一気に抜けなくても移動平均線との乖離が大きいことから、底堅い展開となって移動平均線まで戻る場面はあるものと思います。


今週の予想レンジ      1ドル=88.00円 〜 92.00円



今週のトピック

米消費者信頼感指数

米国では国内総生産はGDP(Gross Dometic Product)の約7割が個人消費といわれ、個人消費の動向が景気の良し悪しを分ける大きな要素となります。消費者信頼感指数とは米国の消費者マインドを指数化したもので、今週火曜日に葉ぴょうされる、民間調査機関であるコンファレンスボードが発表する消費者信頼感指数と、米ミシガン大学が発表する消費者信頼感指数とがあります。

コンファレンスボード消費者信頼感指数の方が対象とするサンプル数が多く、信頼性が高いとされますが、毎月第2、又は第3金曜日に当月分の数値が発表されるミシガン大学消費者信頼感指数は、25日から月末の間に発表されるコンファレンスボード消費者信頼感指数に比べて速報性が高く、先行指標として重要視されます。

4月の消費者信頼感指数は57.9と回復を示しており、個人消費の回復傾向が確認されています。今回発表される5月の消費者信頼感指数も市場予測では58.5と回復傾向を示しており、景気回復を裏付けることになるものと思います。まだ水準としては低い水準ですが回復傾向が続いていると見ても良いと思います。


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