ウィークリー レポート −今週の相場見通し−     清水洋介

 

世界的な信用収縮がどこで止まるか、景気回復継続が確認できるのかに注目

 

指数 寄り付き  高値  安値  終値  前週比 
日経平均(5月6日〜5月7日) 10,695.69 円 10,695.69 円 10,364.59 円 10,364.59 円 ▼ 692.81 円
NYダウ(5月3日〜5月7日) 11,151.83 ドル 11,151.83 ドル 10,380.43 ドル 10,380.43 ドル ▼ 628.18 ドル


今週の相場見通し

米国市場

先週の米国市場は欧州金融不安や国内の金融規制の問題などから信用収縮の動きが一気に進み、大幅下落となりました。ギリシャの問題も解決に向かうとの見方も多かったのですが、株式の売買システムの問題などもあって、指数は大きな下落となりました。週末の雇用統計を含めて、経済指標は引き続き好調なものが多く、景気の二番底懸念は今のところ心配なさそうなのですが、欧州の金融機関の不安が世界的な資金の流れを止めてしまうかのような敏感な反応となり、大きな下げとなっているものと思います。

今週は幾分落ち着きを取り戻すものと思われますが、引き続き信用収縮懸念は残るものと思います。ギリシャ問題も欧州各国への影響が限定的となることが示されるのではないかと思います。週末には為替も落ち着いて来たことから、業績面から売られすぎた銘柄などを買い直す動きも出てくるのではないかと思います。

今週は引き続き経済指標の発表も多く、火曜日には卸売売上高・在庫、水曜日は貿易収支、木曜日は財政収支と輸出入物価指数、新規失業保険申請件数、週末には小売売上高や鉱工業生産指数が発表になりますが、引き続き順調な回復を示すことになるものと思います。信用収縮懸念を経済指標の好転でどこまで打ち消すことができるかが注目されることになりそうです。


日本市場

先週の日本市場は連休の谷間と言う感じで2日しか株式市場はなかったのですが、連日の大幅下落となりました。下値の節目と見られる水準もあっさりと割り込み、大きな下落となりました。決算発表は本格化しており、好調な決算を発表するものも多いのですが、業績動向に反応するというよりは欧州の金融不安、米国の金融規制強化懸念、中国の金融引き締め懸念から世界的な信用収縮となり、手仕舞い売りや見切売りが嵩みました。

今週は下値を探るような落ち着いた展開となるものと思います。先週末の米国市場も大幅下落となるなどまだ落ち着かないのですが、為替に落ち着きが見られることや週末にユーロ圏の首脳会合でギリシャに対する融資とユーロ防衛基金の創設などが打ち出されたことや米国経済指標も比較的堅調なものが多いことから業績面での見直しなど、落ち着いた展開となって来るものと思います。

今週も引き続き注目されるような経済指標の発表も少なく、決算動向や海外市場動向をにらみながらの展開となりそうです。それでも水曜日の景気動向指数や木曜日の工作機械受注、週末の商業販売統計などは決算発表動向とあいまって、個別に反応するものも見られると思われます。為替が落ち着いてくれば、企業業績の上振れ期待は強まり、底堅い堅調な展開となるものと思います。



米国市場テクニカル分析

NYダウ

25日移動平均線にサポートされていたものがいったん割り込むと一気に75日移動平均線までも割り込んでしまいました。いったんは75日移動平均線が上値を押さえるようになるのでしょうが、2月に安値をつけたときと同じように25日移動平均線が75日移動平均線に近づくところで、25日移動平均線、75日移動平均線を抜けることができるのかどうかが注目されます。いったんは調整局面と言うことで、25日移動平均線と75日移動平均線の乖離が縮小するまで上値の重い展開となるのでしょう。


来週の予想レンジ      9,800.00ドル 〜 10,800.00ドル


NASDAQ

サポートされていた25日移動平均線を割り込み、一気に75日移動平均線を割り込みました。今度は75日移動平均線が上値を押さえる格好となるものと思われます。25日移動平均線と75日移動平均線の乖離が縮小するところで、移動平均線を抜ければ調整一巡となるのでしょうが、逆に25日移動平均線と75日移動平均線の乖離が縮小したところでも上値の重い展開となると調整が長引くことになるのでしょう。


今週の予想レンジ      2,100.00pt 〜 2,400.00pt


CRB指数

もみ合い水準を下に放れた格好ですが、2月安値水準で下げ止まるのかどうかが注目されます。意識したところで下げ渋りも見られ、移動平均線の乖離も広がったこともあって、底堅さも見られるものと思います。上値も移動平均線に押さえられて重くなりそうですが、早い段階で底堅さが確認できれば、元のもみ合い水準まで直ぐに戻りそうです。


今週の予想レンジ      255.00pt 〜 285.00pt



日本市場テクニカル分析

日経平均

25日移動平均線に上値を押さえられてもいったんは75日移動平均線で下げ止まったかと思われましたが、一気に75日移動平均線を割り込んでしまいました。2月の安値圏でのもみ合い水準で底堅さは見られるのでしょうが、25日移動平均線と75日移動平均線の乖離が縮小しているところで切り返さないと調整が長引いてしまいそうです。早い時間帯に75日移動平均線を抜けて来るのかどうかが注目されます。


今週の予想レンジ      10,100.00円 〜 11,000.00円


TOPIX

25日移動平均線のサポートを割り込んで一気に75日移動平均線も割り込んでしまいました。2月安値水準でのもみ合いを放れた水準、3月からの上昇の始まりの水準まで一気に下落したことで、底堅くなって来るものと思います。いったんここで下値を確認して直ぐに75日移動平均線を抜けて来るようであれば、25日移動平均線の下落を待って再び上昇に転じるものと思われますが、75日移動平均線に上値を押さえられてしまうようであれば、調整が長引くものと思います。


今週の予想レンジ      920.00pt 〜 975.00pt


日経ジャスダック平均

過熱感が強かったこともあり急落となりましたが、まだ25日移動平均線にサポートされて底堅さが見られます。ただ、25日移動平均線と75日移動平均線の乖離も大きいことから、いったん75日移動平均線のサポートを確認するように、25日移動平均線に上値を押さえられながら調整となるものと思います。


今週の予想レンジ      1,320.00円 〜 1,360.00円


ドル円

25日移動平均線も75日移動平均線も同じような水準にあり、移動平均線から上にも下にも大きく放れると移動平均線まで戻るような展開になっています。引き続き大きな流れには変化はないものと思われ、強含み(ドル高=円安傾向)ながらも何度か下値を確かめるような動きが続くものと思われます。


今週の予想レンジ      1ドル=88.00円 〜 93.50円



今週のトピック

景気動向指数

景気動向指数とは景気の状況を見るための指標で、機械受注や株価といった30項目の経済指標の動向を3カ月前と比べてどのような動きとなったかを見る指標で、これら経済指標の変化の方向を合成して示すディフュージョン・インデックス(DI)と景気動向を量的に示すコンポジット・インデックス(CI)の二つがあります。そしてそれぞれについて、景気に先行する「先行指数」、同時並行で動く「一致指数」、遅れて動く「遅行指数」の3つがあり、通常はDIが使われます。

DIは指数に採用している経済指標の中で景気の拡大を示している指標の割合を示したもので、全ての指数が拡大していれば100%、全てが悪化すれば0%となり、景気拡大のスピードは拡大している指標がどの程度多いかなどで知ることになります。CIは基準年度からのそれぞれの変化率を平均して合成変化率を求め、それを累積して指数化したもので、景気の拡大や後退のスピードを見ることが出来ますが、異常な変化があった場合に景気の方向性まで違ってしまう可能性もあり、調整が必要となります。

一致指数は1月から100%となり景気の回復を示していますが、2月は前月からの伸びが鈍っており、3月に伸びが回復しているのかどうかが注目されます。ただ、市場予測では0.8〜1.3の伸びと見ており、2月の伸び(0.2)より改善が見られと思われます。先行指数の伸びも2月は鈍化が見られましたが、再び大きな伸びとなることが期待されています。市場予測では2.6〜4.4の伸びが期待されており、景気の回復、業績の回復を指数で確認することになるのでしょう。


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