ウィークリー レポート −今週の相場見通し−     清水洋介

 

米国市場は欧州の金融不安が薄れ、経済指標の好転も見られ堅調だが過熱感も強く上値も重い

 

指数 寄り付き  高値  安値  終値  前週比 
日経平均(3月23日〜3月26日) 10,774.15 円 10,996.37 円 10,774.15 円 10,996.37 円 △ 171.65 円
NYダウ(3月22日〜3月26日) 10,785.89 ドル 10,888.83 ドル 10,785.89 ドル 10,850.36 ドル △ 108.38 ドル


今週の相場見通し

米国市場

先週の米国市場は目先的な過熱感から上値は重いものの、好調な景気回復を織り込みつつもFRB(連邦準備理事会)議長の出口戦略はまだ先との見方などもあり、堅調な展開になりました。商品市況などが落ち着いていることが、信用収縮との見方ではなく、インフレ懸念がないとの見方になり、国債金利の上昇、長期金利の上昇も特に取り沙汰されることなく、上値を抑える要因にはなるものの売り急ぐ要因とはなりませんでした。経済指標も住宅関連指標にまだまだ回復がみられないものの、景気回復を示す指標が多く、堅調な地合いが続いています。

今週も経済指標の発表に振らされながらも底堅さを確認することになりそうです。週末は聖金曜日で休日、雇用統計の発表もあり、積極的に持高を増やすというよりは先週に続き利益確定が優勢となるものと思われます。景気回復を織り込みながら強含みの基調には変わりないのでしょうが、目先的な過熱感は否めず、また、長期金利の上昇も気になるところであり、金利動向に振らされる場面も出てくるのではないかと思います。

月曜日は個人消費支出、個人所得の発表があり、個人消費の回復を確認することになりそうで、火曜日は住宅関連の指標や消費者信頼感指数の発表があり、個人消費にも改善が見られるなかで住宅関連指標の改善が期待されます。水曜日は雇用レポートや製造業受注、シカゴ購買部協会の景気指数の発表があり、それぞれに敏感に反応しそうです。また、木曜日は3連休前となることに加え、新規失業保険申請件数、ISM製造業景気指数の発表もあり、波乱含みとなりそうです。金曜日は聖金曜日の祝日で市場は休場となりますが、雇用統計の発表があり、来週の相場に影響がありそうです。


日本市場

先週の日本市場は持高調整の売りに対する懸念が薄れたことで強含みの展開となり、週末は買い戻しを急ぐ動きも見られ、1月の高値水準を上回り大幅高となりました。外国人が買い越し基調とあることや欧州での金融不安が薄れたことから買い戻しも入り、米国でも景気回復が個人消費や雇用の改善につながっていると見られること、また、為替も円安に振れたことで、決算を前にハイテク銘柄などの輸出企業を中心に業績上振れ期待も強まり、大幅高となりました。

米国での金利上昇懸念は残るものの欧州での金融不安が薄れたことから対ユーロで円高一服となり、今週はユーロ安の影響で売られたものなどの戻りは期待できそうです。ただ、目先的な過熱感が強いことや1月高値を抜けたことでの達成感もあり、先駆したハイテク銘柄などは利益確定売りに押されるものも見られると思います。業績回復を好感する動きは続き底堅さも見られるのでしょうが、上値も重くなってくるものと思います。1月高値をまだ抜けていないような出遅れ感が強い銘柄などが物色されることになるのでしょう。

今週は月末、月初に年度替りということもあり、指標の発表も多く、指標への反応もあるものと思います。月曜日は商業販売統計、火曜日は失業率と家計調査、鉱工業清算指数の発表があり、企業業績の回復が見られるなかで雇用に改善が見られるのか、個人消費に改善は見られるのかが注目されます。水曜日は住宅着工統計の発表があり、木曜日、月初には日銀短観の発表があります。「今週のトピック」でも取り上げましたが、どこまで改善されているのか、改善の度合いが問題となりそうです。週末にはマネタリーベースの発表があります。



米国市場テクニカル分析

NYダウ

先週から一段高となりましたが、高値圏で上値が重くなっています。25日移動平均線も75日移動平均線も順調に上昇が続いており、堅調な地合いが続きそうですが、移動平均線との乖離が大きくなるところでは上値も重くなる可能性もあり、また、目先的な過熱感も強いことから、今週は経済指標の発表に振らされながら、手仕舞い売りに押されて移動平均を意識する水準まで押し目を確かめる動きとなって来るのではないかと思います。


来週の予想レンジ      10,700.00ドル 〜 11,100.00ドル


NASDAQ

移動平均線との乖離が依然として大きく、上値の重い展開となっています。上値の重さを確認していったんは移動平均線を意識するところまで調整となる可能性もありそうです。景気回復を確信して、織り込む動きとなっており、移動平均線を割り込んで大きく下落するほどの材料もなく、押し目を確認しても底堅い展開は続くものと思います。


今週の予想レンジ      2,360.00pt 〜 2,450.00pt


CRB指数

移動平均線に上値を押さえられるように軟調となり、下値を試す動きとなっています。25日移動平均線と75日移動平均線が「ニアミス」となり、下げが加速される可能性もありそうです。かろうじて昨年10月から12月にかけてのもみ合い水準の範囲内での動きになっていますが、ぎりぎりのところであり、ここから一段下落となると今度はこの水準が上値目処となる可能性がありそうです。いったん下値を試し、水準訂正となるかもしれません。


今週の予想レンジ      260.00pt 〜 280.00pt



日本市場テクニカル分析

日経平均

1月高値を更新しましたが、引き続き移動平均線からの乖離も大きく上値が重くなって来るものと思います。移動平均線からの乖離が縮小するところまで押し目を確認する動きとなるのではないかと思います。米経済指標などに振らされる場面もあるのでしょうが、大幅な悪化など、米国株の売り要因が強まらなければ、下値は移動平均線まで下落とならず、先週のもみ合い水準での底堅さが見られるものと思います。


今週の予想レンジ      10,600.00円 〜 11,100.00円


TOPIX

1月高値を更新したところで上値が重くなりました。ただ、移動平均線からの乖離も大きく上値も重くなるものと思います。先々週のもみ合い水準までの調整となるのか、移動平均線までの調整となるのかが注目されますがいずれにしても上値の重さを確認して、押し目を探る展開となって来るものと思います。


今週の予想レンジ      940.00pt 〜 980.00pt


日経ジャスダック平均

移動平均線との乖離も大きくなり、過熱感が強まったことから、上値の重い展開となりました。まだ、売り急ぐ動きにはなっていませんが、昨年9月の高値水準(1,250円)までの調整となりそうです。その水準で下げ止まらないと移動平均線のサポートを確認するような調整となるものと思います。


今週の予想レンジ      1,240.00円 〜 1,280.00円


ドル円

25日移動平均線と75日移動平均線のもみ合いを放れて一気に上昇となりました。まだ25日移動平均線と75日移動平均線が「ゴールデンクロス」となっておらず、移動平均線との乖離が広がったところで上値も重くなって来るのでしょうが、この水準を保っていれば来週にも「ゴールデンクロス」となって来るものと思われ、値持ちの良さが試される週となりそうです。米経済指標の発表などに振らされながらもドルが底堅い堅調な展開となるのかどうか、今週を乗り切れば強含みの展開になって来るものと思います。


今週の予想レンジ      1ドル=90.50円 〜 93.50円



今週のトピック

日銀短観

日銀短観とは日本銀行が3、6、9、12月に調査し、翌月初旬(12月は中ごろ)の四半期に一度発表される「企業短期経済観測調査」のことです。調査は全国の大手・中小企業、製造業・非製造業などに分けて、業績動向や状況、設備投資の状況や雇用などについて実績と今後の見通しを聞くものです。企業に直接アンケート方式で聞くことで「生の声」が聞こえるものとして景気動向を見る上で重要とされています。

一番重要視されるのは「大企業」「製造業」の現状の「業況判断DI」というものです。DIと言うのは「ディフュージョン インデックス」というもので、業況が「良い」とした企業の割り合いから「悪い」とした企業の割合を差し引いたもので示します。したがって、全ての企業が業況が良いと判断すると100となり、逆に全ての企業が悪いと判断すると-100となり、ゼロ以上であれば景気がいいと見られるのです。このDIの数字は多分にアンケート回答者の心理が入っており、必ずしも数字上業績が好転している、いないということではないのです。

今回の日銀短観も各社エコノミストの予測では大企業製造業DIが先行きでもまだプラスと見ている向きはおらず、依然として慎重な見方をしている向きが多いようです。足元の回復が鮮明になりつつあり、為替動向も落ち着いていることから、案外上振れするのではないかと思われます。設備投資などはまだ慎重な計画となっているのでしょうが、回復期待は強まっているのではないかと思います。各社の予想では中心値が−13、平均値も同じで、予測レンジが−17から−8となっていますが、マイナス一桁前半まで改善する可能性もあるのではないかと思います。


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