ウィークリー レポート −今週の相場見通し−     清水洋介

 

米国景気回復はいよいよ個人消費まで波及、景気回復確認から「出口戦略」が話題になる可能性も

 

指数 寄り付き  高値  安値  終値  前週比 
日経平均(3月8日〜3月12日) 10,585.92 円 10,751.26 円 10,563.92 円 10,751.26 円 △ 382.30 円
NYダウ(3月8日〜3月12日) 10,552.52 ドル 10,624.69 ドル 10,552.52 ドル 10,624.69 ドル △ 58.49 ドル


今週の相場見通し

米国市場

先週はナスダック指数やS&P500指数が52週高値を更新するなど堅調となりました。欧州での金融不安や米国金融規制懸念、中国での金融引き締め懸念が払拭されたわけではないのですが、懸念が薄らいだことで、足元の業績回復を織り込む形で上値追いとなりました。雇用が改善傾向にあることや個人消費も回復が確認されつつあり、商品市況なども堅調ながらも過熱感はなく、出口戦略なども大きく取り沙汰されることなく堅調となりました。

今週はFOMC(公開市場委員会)を控えて「出口戦略」が気になるところではないかと思います。商品市況が大きく上昇するような場面があればインフレ懸念から「出口戦略」が取り沙汰されて相場の上値を押さえそうです。一方で雇用や個人消費に回復が見られることや足元の企業業績も引き続き回復しており、売り急ぐ動きはなく、出口戦略が取り沙汰されて売られる場面があっても底堅さは見られるものと思います。

先週は経済指標の発表などがは少なかったのですが、今週は月曜日のニューヨーク連銀景気指数や鉱工業清算指数、NAHB住宅価格指数を手始めに、火曜日は住宅着工件数、輸出入物価指数の発表など経済指標の発表が相次ぎ、また火曜日からはFOMCが始まります(水曜日まで)。また水曜日は生産者物価指数(PPI)、木曜日は消費者物価指数(CPI)の発表があり、「出口戦略」が取り沙汰される可能性もありそうです。木曜日は新規失業保険申請件数や景気先行指標、フィラデルフィア連銀景気指数に半導体BBレシオの発表もあり、これらの経済指標の発表に一喜一憂する場面もあるかもしれません。


日本市場

先週の日本市場は堅調な展開となりました。週半ばまでは米雇用統計の不安が解消されて水準訂正となり、上値も重い展開でしたが週末に掛けて再び持高調整の売りに対する懸念が薄らぎ、逆に持高調整の買戻しなどもあって堅調となりました。伏線となっているのは先々週からの日本企業の業績回復傾向、法人企業統計や機械受注統計に見られる回復や業績上振れ期待などがあり、目先的な需給要因で上値を押さえられていたものが日柄的に需給不安が解消されたことで業績面を織り込むように上昇となったものと思います。

今週は米国でFOMCがあり、日本で日銀の金融政策決定会合があり、信用収縮懸念が出てくる可能性もありそうで、積極的には買い上がりにくいのではないかと思います。米国の出口戦略に対し、日本では追加の金融緩和が期待されており、また、週末には3連休を控えて持高調整や持合解消が嵩む可能性もあります。ここまで懸念されていたほど持高調整の売りや持合解消売りが出ていないだけに、ここから出るのか、今年は出ないのか様子を見ながら押し目を拾うような展開になりそうです。

注目される経済指標は週初の商業販売統計や消費動向調査や木曜日の法人企業景気予測調査などがありますが、市場の方向感を出すまでには至らないと思われます。また、木曜日に国内粗鋼生産や半導体BBレシオが発表になりますが、影響される業種が絞られて、これもまた、市場全体の方向感を示すようなことはないと思います。米国経済指標と言うよりは米国市場の動きや日銀の追加金融緩和の動向、持高調整などの需給要因に大きく振らされることになるものと思います。



米国市場テクニカル分析

NYダウ

移動平均線との乖離も大きくなってきつつあり、そろそろ上値も重くなりそうですが、25日移動平均線が急速に切り返し「ゴールデンクロス」となりそうで、基調は強含みの展開が続くものと思います。1月の高値を抜ければ抜けたで「達成感」から、抜けなければ抜けないで「失望感」から上値が重くなりそうですが25日移動平均線の上昇は続き強含みの展開が続くものと思います。


来週の予想レンジ      10,400.00ドル 〜 10,800.00ドル


NASDAQ

1月高値水準を抜けて後も堅調な動きとなっています。25日移動平均線と75日移動平均線との「ゴールデンクロス」となっており、強含みの展開が続くのでしょうが、移動平均線との乖離は大きくなっており、過熱感も強く、上値も重くなって来るものと思います。移動平均線との乖離を縮小するような調整が見られるかもしれません。


今週の予想レンジ      2,320.00pt 〜 2,400.00pt


CRB指数

横ばいとなっている75日移動平均線に上値を押さえられ、上昇している25日移動平均線にサポートされて押し目を確認する動きとなっています。週初に軟調となって25日移動平均線を割り込むと25日移動平均線が再び下落となって調整が長引きそうですが、逆に堅調となって75日移動平均線を抜けてくれば強含みの展開となって来るものと思います。週初の動きが重要となりそうです。


今週の予想レンジ      265.00pt 〜 285.00pt



日本市場テクニカル分析

日経平均

移動平均線から大きく放れて上値を試す動きとなっています。25日移動平均線と75日移動平均線の「デッドクロス」を免れて強含みとなったのですが、こんどは一気に上昇となったことで、そろそろ過熱感から上値も重くなりそうです。大きく値を崩すというよりは乖離の縮小と言うように昨年8月のもみ合い水準の上限レベル=10,500円〜600円でのサポートを確かめるような動きとなってくるのではないかと思います。


今週の予想レンジ      10,500.00円 〜 11,000.00円


TOPIX

日経平均と同様に移動平均線との乖離が大きくなって過熱感が出て来るところです。1月高値を意識する水準では過熱感が強まり、抜ければ抜けたで達成感から調整となるのでしょうし、抜けなければ抜けないで失望感から調整となるのでしょう。下値はしっかりと移動平均線にサポートされるものと思います。


今週の予想レンジ      900.00pt 〜 970.00pt


日経ジャスダック平均

いったん縮小しかけた25日移動平均線と75日移動平均線が再び広がって来ました。25日移動平均線との乖離も大きくなり、上値も重くなって来るところではないかと思われ、いったんは25日移動平均線や75日移動平均線の上昇を待つように調整となって来るのではないかと思います。それでも25日移動平均線を意識するようなところでは底堅くなるものと思います。


今週の予想レンジ      1,215.00円 〜 1,245.00円


ドル円

形とすれば25日移動平均線と75日移動平均線が「デッドクロス」となり、その25日移動平均線にサポートされて反発となった格好です。75日移動平均線が上昇に転じ、25日移動平均線はまだ上げ下げありそうですが、この水準を保てれば「ゴールデンクロス」となる可能性もあり、移動平均線を割り込みさえしなければ強含みと見ておいて良いと思います。


今週の予想レンジ      1ドル=90.00円 〜 92.00円



今週のトピック

連邦公開市場委員会(FOMC)

アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)が年に8回、定期的に開催する米国金融政策の最高意思決定会合です。FF(フェデラルファンド)レートと言われる短期金利の誘導目標や公定歩合、預金準備率などや公開市場操作の決定などを行うものです。FRBの理事7名と各地区の連邦準備銀行総裁5名(ニューヨーク連銀総裁と持ち回りで選ばれる4名)で構成されており、議長はFRB議長、副議長がニューヨーク連銀総裁が担当する。

約6週間ごとに年8回開催されるのですが、かつての株価大暴落時やエンロン事件、2007年8月の緊急利下げ、昨年からの何度かの緊急な利下げなどの金融政策などは通常の公開市場委員会とは別に臨時に開催されて、金融政策が決定されることになりあす。また、議論の内容、政策についてFRB議長から終了後に報告され、そのコメントの一言一句が注目されるものとなっています。

今回も景気の回復が認められるなかで、所謂「金融緩和の出口戦略」についても言及がありそうです。たた、公定歩合の引き上げがあった後と言うこともあり、大きく政策を変更することはなさそうです。企業業績の回復がどこまで雇用や個人消費まで波及しているのかを測り、また、欧州での金融不安や中国の金融引き締め懸念との兼ね合いもあり、現状からいきなり「出口戦略」を取ることはないと思います。個人消費が回復しインフレの兆候でも見られれば別ですが、まだまだその段階には至っていないものと思われます。


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