ウィークリー レポート −今週の相場見通し−     清水洋介

 

今週は米国企業の決算動向をにらみながらの展開か

 

指数 寄り付き  高値  安値  終値  前週比 
日経平均(1月4日〜1月8日) 10,654.79 円 10,798.32 円 10,654.79 円 10,798.32 円 △ 251.88 円
NYダウ(1月4日〜1月8日) 10,583.96 ドル 10,618.19 ドル 10,572.02 ドル 10,618.19 ドル △ 190.11 ドル


今週の相場見通し

米国市場

先週の米国市場は引き続き景気回復を織り込みながら堅調な展開となりました。金融不安を煽るような話題も市場では出てはいるのですが、実体経済の回復が鮮明になる中では特に大きく取りざたされることもなく、クリスマス商戦も比較的好調とされて、個人消費や雇用も好転していることから、株式市場では先高期待も強いようです。金融緩和の「出口戦略」が取りざたされるところでは利益確定売りを急ぐ動きも出るのですが大きく下押す事もなく堅調な地合いが続きました。

今週は企業の決算発表が始まり、決算動向をにらみながらの展開となるものと思います。好調な決算には素直に反応するものと思われますが、好調な決算が多く見られるようになり、経済指標も引き続き堅調な指標が多く見られると「出口戦略」が話題になるのでしょう。商品市況も投機的な動きから高騰するようなことになるとそろそろ「過熱感」や「インフレ懸念」を取りざたしてくるものと思われ、金利動向への影響は大きくなり、株式市場も商品市況の上昇に素直な反応とはなり難いのではないかと思います。

今週は経済指標では木曜日の小売売上高や新規失業保険申請件数、金曜日の消費者物価指数(CPI)や景気指数、鉱工業清算指数などが注目されますが、景気回復に確信が持てるような展開になり、インフレ懸念が頭をもたげるようなことになると、特にこれまで懸念されていた個人消費や雇用に改善が見られると「出口戦略」が取りざたされて株式市場も上げ一服となるかもしれません。個別企業の決算発表も周りへの影響は限定的なのかもしれませんが、「出口戦略」と結びつくと市場への影響が大きくなりそうです。


日本市場

新年初めの相場は年末の大幅下落の反動から堅調な始まりとなり、昨年8月の高値水準を抜ける展開となりました。目先的な過熱感をものともせず、円安を好感する動きや出遅れ銘柄の買い戻しが中心ではありましたが、水準訂正と見られるような動きで堅調となりました。JAL(9205)をめぐる迷走や財務大臣の交代、与党幹事長の不明朗会計の問題と政治的には不安定要因が多いのですが、米国市場など海外市場が景気回復を織り込みながら堅調となるなかで、景気回復、企業業績に回復期待から堅調な地合いとなったものと思います。 また、目先的な需給の悪化も年が変わったことで、一段落となり、ここからまた新たな需給動向を模索することになるものと思います。

今週の日本市場は引き続き堅調な展開が期待されるものの、目先的な過熱感もあり上値も重い展開となるのではないかと思います。月曜日が休日ということもあり、週初の米国市場動向をにらみながらの展開となるのでしょうが、米国での決算発表が始まり、米国市場が波乱含みとなる可能性もあり、日本市場も為替や米国株式市場動向に振り回されることになりそうです。昨年も秋口から見られたような持高調整の動きが出てくる可能性もあり、注意が必要かもしれません。

経済指標は相変わらず大きく影響されるようなこともないと思われますが、水曜日に発表される工作機械受注が前年比でプラスになる、木曜日に発表される機械受注が予想を大きく上回るなどということがあれば、市場への影響も大きいと思われます。企業物価指数も木曜日の朝に発表になり、デフレ対策が今後の金融政策で懸念されるところだけに注目されるのではないかと思います。



米国市場テクニカル分析

NYダウ

移動平均線との乖離は大きくならず、順調に上値追いとなっています。25日移動平均線の上昇も鈍いのですが逆に過熱感が強まらずに堅調な展開となり、上昇が長続きとなっています。目先的な利益確定売りをしっかりとこなしているということであり、堅調な地合いはまだ続くものと思います。


来週の予想レンジ      10,450.00ドル 〜 10,800.00ドル


NASDAQ

25日移動平均線との乖離が大きくなるところでは上値も重くなりますが、移動平均のサポートを確認することもなく強含みとなっています。25日移動平均線と75日移動平均線との乖離も大きくなっており、これ以上乖離が広がるようであれば上値も重くなりそうです。いったんは上値の重い展開となって来るのかもしれません。


今週の予想レンジ      2,300.00pt 〜 2,380.00pt


CRB指数

10月の高値を抜けて、堅調な展開となりました。25日移動平均線と75日移動平均線との乖離も広がりつつあり、堅調な地合いが続くものと思いますが、25日移動平均線との乖離も大きくいったんは抜けて来た10月高値水準=285での底堅さを確認するような場面も見られるものと思います。


今週の予想レンジ      285.00pt 〜 295.00pt



日本市場テクニカル分析

日経平均

昨年8月高値を抜けて来ましたが「10,800円水準」と言う意味では抜け切っておらず、その「高値水準」で上値を押さえられたと見られます。25日移動平均線と75日移動平均線が「ゴールデンクロス」となり上昇トレンド入りは確認されており、底堅い堅調な展開は期待されるのですが、移動平均線との乖離も大きく、目先的な過熱感は否めず、上値の重い展開が続くものと思います。いったん、上昇が続く25日移動平均線のサポートを確認する場面もあるのかもしれません。


今週の予想レンジ      10,400.00円 〜 10,900.00円


TOPIX

25日移動平均線と75日移動平均線が「ゴールデンクロス」となり、底入れ確認となりましたが、25日移動平均線との乖離が大きいことや75日移動平均線がまだ下落を続けていることから上値の重い展開となりそうです。昨年の8月高値でのもみ合いとなった水準=950どころまでは戻るのでしょうが、一気に抜けるというには過熱感が強過ぎるものと思われます。目先的な過熱感を冷ますように移動平均線の上昇を待って上値を試す動きとなるのでしょう。


今週の予想レンジ      920.00pt 〜 975.00pt


日経ジャスダック平均

75日移動平均線に上値を押さえられています。25日移動平均線が上昇しており、乖離が縮小するところでは底堅さも見られ、75日移動平均線を抜けて来るものと思います。75日移動平均線を早めに抜けるようなことになれば、25日移動平均線との乖離が一気に広がっても強含みの展開となるものと思います。


今週の予想レンジ      1,170.00円 〜 1,200.00円


ドル円

25日移動平均線と75日移動平均線が「ゴールデンクロス」となり、堅調な地合いとなりましたが、節目と見られる92円水準を抜けたところで移動平均線との乖離も大きなことから調整となっています。今度は92円水準での節目を下値のサポートと確認しながら移動平均線との乖離が縮小するまで過熱感を冷ますことになるものと思いますが、堅調な地合いは続くものと思います。


今週の予想レンジ      1ドル=91.00円 〜 93.50円



今週のトピック

企業物価指数

日銀により調査される指標で日本で最も古い統計とされています。かつては「卸売物価指数」とされていましたが、2000年基準に改定されるときに企業物価指数に変更になりました。企業物価指数とは企業間の取引の価格を指数化したもので、国内の企業間の取引を対象とした企業物価指数(国内企業物価指数)、海外に輸出される価格を対象とした輸出物価指数、海外から輸入される価格を対象とした輸入物価指数に分かれます。

それぞれの指数について、品目別だけでなく、原材料として使われるのか、中間財として使われるのかと言うような段階別の指数も公表されます。原材料の価格が上がればいずれ中間財の価格が上昇、そして最終的には物価の上昇に繋がるというような見方をするのです。また、為替動向によって輸入物価の変動などもあるのが特徴です。また、企業物価指数は日銀から調査対象月の翌月の第8営業日に発表されるもので、速報性の高い指標という特徴があります。

「デフレ」が取り沙汰され、今年の日本経済の課題も「デフレ脱却」ということにあると思われる中で、重要な指標といえるでしょう。特に為替が円高になったことで輸入物価指数が大幅に減少となっており、今回の発表も前年比で二桁減から脱却できるかが注目されます。国内企業物価もようやく底入れ感が見えはじめており、企業業績の回復期待とともに改善が期待されます。 7日午前10時時点でのQUICK社調査によると予測のレンジは-4.1%から-3.5%、予測の平均値は-3.9%、中心値も-3.9%と改善傾向は続いているものの、まだまだ時間がかかりそうです。


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