ウィークリー レポート −今週の相場見通し−     清水洋介

 

「政策不在」や「円高」・「ドバイ・ショック」での大幅下落から戻りを期待

 

指数 寄り付き  高値  安値  終値  前週比 
日経平均(11月24日〜11月27日) 9,401.58 円 9,441.64 円 9,081.52 円 9,081.52 円 ▼ 416.16 円
NYダウ(11月23日〜11月27日) 10,450.95 ドル 10,464.40 ドル 10,309.92 ドル 10,309.92 ドル ▼ 8.24 ドル


今週の相場見通し

米国市場

先週の米国市場は住宅指標や個人消費に関連する指標などの好転や、引き続き企業業績の回復期待もあって堅調な展開となり、昨年来の高値を更新しました。ただ、感謝祭の休日を挟んで週末には「ドバイショック」の影響もあり大幅下落となりました。それでも、週末もダウ平均が節目と見られる10,200円水準を割り込むところでは買戻しも入るなど底堅い動きとなっており、業績回復、景気回復期待からの上昇トレンドが終わったという雰囲気はありません。「ドル安」も懸念されましたが「ドル安メリット」を享受するように、米国での外需の伸びを期待しているようです。外需の伸びで企業業績が好転すれば、国内の雇用や個人消費も回復するというシナリオとなっているものと思います。

今週の米国市場は「ドバイショック」の影響が続くのかどうかも注目されます。ただ、米国金融機関への影響は限定的と思われ、大きな信用不安に発展することはないものと思います。一方、今週は月末・月初ということであり、経済指標の発表も多く、経済指標の動向で市場が左右されることになりそうです。また、この週末からクリスマス商戦が始まると見られており、小売各社の販売状況などが週初は取りざたされてくるものと思います。個人消費が好調となると「ドバイショック」もかすみ、堅調となるものと思います。

週初から景気指数の発表などもあり、今週は経済指標の発表が毎日のようにあり、一喜一憂する場面もありそうです。水曜日にはISM製造業景気指数や新車販売台数、ADP全米雇用レポートに仮契約住宅販売指数などの発表もあり、指数も大きく動く可能性もありそうです。木曜日も新規失業保険申請件数など雇用関係の指標の発表が多く、週末にはISM非製造業景気指数に雇用統計、製造業受注と注目される経済指標の発表が多くなっています。「ドル安」に対する反応やこれらの経済指標への反応が楽観的な見方が続くのかどうか、大いに注目されます。


日本市場

先週の日本市場は引き続き経済指標や米国株式市場に反応することなく、目先的な需給悪化に押され軟調となり、最後は猛烈な円高に加え、ドバイ首長国の資金繰り懸念から欧州市場が大きく下落したことが嫌気されて大幅下落となりました。日経平均が7月の安値を意識する水準まで下落となるなど政策不在、デフレ懸念もあいまって買い気の乏しい市場で大きな下落となりました。企業業績の大きな落ち込みが見られたわけでも、経済指標の悪化が見られたわけでもないのですが、先行き不透明感が強く、売り急ぐ展開となりました。

今週の日本市場は「ドバイ・ショック」を吸収できるのかどうかが注目されますが、政府・金融当局から適切な対処やコメントが出されないと政策不信から売りがかさむものと思います。月替わりということでファンドなどの売りが一巡すれば、割安感が出ている銘柄などを個別に物色する動きとなるのでしょう。ただ、為替に対する警戒感は根強く、「政策頼み」ということになりそうです。その政策もあまり期待は出来ず、下値を探る展開となりそうです。

月末、月初ということで、今週は経済指標の発表も多いのですが、目先的な需給や為替動向に振らされて影響も限定されそうです。それでも、月曜日には鉱工業生産指数や自動車生産台数、住宅着工統計の発表があり、関連銘柄には影響があるものと思います。火曜日は新車販売台数、水曜日はマネタリーベースの発表があり、木曜日には法人企業統計の発表があります。設備投資動向に陰りが見られると景気の「二番底」懸念が出てくるのでしょう。



米国市場テクニカル分析

NYダウ

ドバイの信用不安から高値圏でのもみ合いの下限水準まで下落しましたが、まだ25日移動平均も75日移動平均も上昇を続けており、目先的な調整に過ぎない感じです。底堅さが期待されるなかで、今週は25日移動平均線を意識することになり、意識したところでしっかりと上値追いとなるのかどうかが注目されます。


来週の予想レンジ      10,200.00ドル 〜 10,600.00ドル


NASDAQ

ダウ平均よりも弱く、25日移動平均線も横ばいとなって来ました。週末には25日移動平均線にサポートされる格好となりましたが、今週も引き続き強含みとなるのかどうかが注目されます。週初から堅調となり、25日移動平均線のサポートが確認されて堅調な地合いとなれば、25日移動平均線と75日移動平均線が「ニアミス」となって強含みの展開から上昇が期待されます。


今週の予想レンジ      2,100.00pt 〜 2,250.00pt


CRB指数

もみ合いが続いています。それでも25日移動平均線に絡みながらの動きであり、引き続き大きな崩れはなさそうです。25日移動平均線と75日移動平均線との乖離も縮小しており、節目と見られる260後半での下値を確認しつつ、上値を試すような堅調な展開が続くものと思います。


今週の予想レンジ      265.00pt 〜 285.00pt



日本市場テクニカル分析

日経平均

大きな下落となりました。5月に窓を空けた水準=5月の安値水準=7月の安値水準=9,000円水準で下げ止まった格好となっており、移動平均線との乖離も大きくなったことから戻りを試す動きとなりそうです。ただ、週末に空けた「窓」を埋めたあとにしっかりと上値の節目である9,500円〜600円水準まで戻るかどうかが注目されるところです。


今週の予想レンジ      9,000.00円 〜 9,500.00円


TOPIX

5月に上に跳ねる前の4月のもみ合い水準まで下落となりました。それでもその水準で下げ止まった感もあり、こんどは5月安値=7月安値=10月安値水準である850〜860の水準まで戻りを試すことになりそうです。


今週の予想レンジ      800.00pt 〜 860.00pt


日経ジャスダック平均

主力銘柄に比べると売り飽き気分もあり、売られ過ぎ感も強まり、底堅い展開となりました。移動平均線との乖離も大きくなったので、引き続き縮小するような展開、底堅い堅調な地合いが続くものと思います。25日移動平均線を意識する水準までは戻るものと思います。


今週の予想レンジ      1,100.00円 〜 1,160.00円


ドル円

9月末、10月初めの安値を割り込んで大きな下落となりました。急落の反動から底堅い展開いは期待出来そうですが、戻りも1ドル=88円あたりでは上値を押さえられてしまいそうです。底堅さを確認するような展開が続くものと思います。


今週の予想レンジ      1ドル=85.00円 〜 88.00円



今週のトピック

米雇用統計

株式市場や為替市場などで最も注目されている指標の一つが、原則、毎月第一金曜日のニューヨーク時間午前8時30分に労働省から発表される、月次の雇用統計です。最近ではADP(オートデータプロセッシング)雇用レポートなど民間の雇用統計なども注目されるようになりましたが、個人消費に大きな影響を与える、つまり、GDP(国内総生産)などへの影響も大きな雇用の状況を見る上で重要な指標とされています。

「雇用統計」と言っても中は10数項目に分かれています。どれも重要な指標ではあるのですが、特に注目されるのが「非農業部門雇用者数」と失業率であり、インフレなどが取りざたされるときは、「平均時給」などが注目されることもあります。米国の個人消費はGDPの7割を占めているといわれ、しかもクレジット社会ですから、職がある、ない、ということが個人消費にも大きな影響を与えることになるのです。

今回の調査は前回二桁に乗せた失業率に頭打ち感が出るのかどうかが注目されます。前回が予想外に大幅な悪化となったことで、今回は頭打ち感も出てくるものと思われます。また、非農業従事者の雇用者数の減少に歯止めがかかるのかどうかも注目されます。市場の予想では失業率は若干悪化するもののほぼ横ばいとなって頭打ち感も出てくるものと思われ、雇用者数の減少幅も引き続き減少傾向にあるものと思われています。出口戦略の話はまだ先ということなのでしょうが、雇用に改善が見られればクリスマス商戦も期待出来るのでしょう。


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