ウィークリー レポート −今週の相場見通し−     清水洋介

 

米国市場は個人消費に底入れ感が強まり52週高値を更新、日本市場は持高調整売りに押されて軟調

 

指数 寄り付き  高値  安値  終値  前週比 
日経平均(11月9日〜11月13日) 9,808.99 円 9,871.68 円 9,770.31 円 9,770.31 円 ▼ 19.04 円
NYダウ(11月9日〜11月13日) 10,226.94 ドル 10,291.26 ドル 10,197.47 ドル 10,270.47 ドル △ 247.05 ドル


今週の相場見通し

米国市場

先週の米国市場は引き続き業績回復を受けて堅調、ダウ平均などは今年の高値水準を超えて昨年10月以来の高値水準まで上昇となる場面もありました。商品市況が上昇一服となるなどインフレ懸念もなく、「出口戦略」が取りざたされることもなく堅調となりました。高値を抜けた後は達成感もあり、利益確定売りに押されましたが、大きく崩れることもなく業績回復を織り込む展開となりました。特に経済指標などが材料視されることもなかったのですが、個人消費などにも底堅さが見られ強含みの相場が続いています。

今週は住宅関連指標などを中心に経済指標の発表なども多く、景気回復を確認できるのかどうかを見極めることになりそうです。雇用統計の悪化などが見られたのですが、景気回復、企業業績の回復が見られ、雇用や個人消費の底入れ反転も近いということで、強気になっている面もあり、経済指標の更なる悪化が見られると楽観的な見方から悲観的に変わり、雇用の悪化や個人消費の回復の鈍さを懸念する動きとなってしまうのでしょう。

月曜日には景気指数、火曜日には小売売上高や企業在庫・売上高、生産者物価指数(PPI)に鉱工業生産指数と多くの指標が発表になり、水曜日は住宅指数や住宅着工件数に加え消費者物価指数(CPI)も発表になります。個人消費が盛り上がっていないところで物価が大きく上昇となるとインフレ懸念を嫌気する動きも出てしまうでしょう。木曜日は新規失業保険申請件数の発表があり週末は景気先行指数や景気指数の発表、そして半導体製造BBレシオの発表もあり、これらの動向でセンチメントの変化が見られるのかどうかなども注目されます。


日本市場

先週の日本市場は相変わらず政策の方向が見えないことから方向感のない展開となりました。戻りを試すような動きになるのかと期待されましたが、持高調整の売りも依然として多く、上値を抑える要因となり、上値の重さが見えると買い気に乏しい相場の中ではなかなか買い切れずにずるずると値を下げてしまうようです。企業決算は業績の回復を示す決算が多く、機械受注や鉱工業生産指数も予想を上回り、景気の回復を示してはいたのですが反応は鈍くなっています。好決算に対する反応も限定的となっており、 長続きしないのは持高調整の売りが多いということと、先行きの不透明感から最後まで買い切れないことが要因となっているのでしょう。

今週も引き続き「先が見えない」状況には変わりないものと思いますが、決算発表一巡感からもう一度見直す動きになるのか、あるいは米国などの経済指標に反応することになるのかもしれません。銀行などを中心に資本増強懸念も取りざたされて上値も重くなるのではないかと思います。また、持高調整の売りが止まるのかどうかも注目され、週初の動きでまだ出るようであれば今月いっぱいは続くものと思ってもいいのでしょう。 為替や米国市場への反応が鈍くなっているのですが、持高調整の売り買いが一段落となれば今度は為替や米国市場に反応することに反応することになるのでしょう。

今週は週初からGDP(国内総生産)の発表もあり、反応はあるものと思われます。4−6月期よりも回復していると思われますが、大方の予想では若干の改善としており、大きく改善するようであれば一気に戻りを試すような動きになり、業績の回復を示した企業などは大きく買われることになりそうです。逆に前回よりも悪くなるようであれば、10月の安値や7月の安値を目指すような動きになりそうです。 木曜日には景気動向指数や国内粗鋼生産、百貨店売上高、半導体製造BBレシオなどの発表もあり業種や銘柄は限られますが、影響はありそうです。ただ、この水準からであればGDP次第ですが、「悪い」というよりも「良い」ことに敏感に反応するものと思います。週末には金融政策決定会合がありますが、「出口戦略」が取りざたされない限り多いな影響はないと思います。



米国市場テクニカル分析

NYダウ

25日移動平均線のサポートを確認しながら強含みの動きが続いています。このパターンを考えると、今週は25日移動平均線との乖離が大きくなっており、上値の重い展開となるものと思います。上昇のスピード調整という格好で、25日移動平均線に近づけば買われ、離れると売られるような展開となり、強含みながらも上値の重い展開なのでしょう。


来週の予想レンジ      10,100.00ドル 〜 10,400.00ドル


NASDAQ

25日移動平均線を抜けて堅調な地合いとなりました。25日移動平均線と75日移動平均線の乖離の縮小も止まり、25日移動平均線も上昇基調にあることから、強含み、25日移動平均線にサポートされる格好となりそうです。10月高値水準を意識するところでは上値も重くなっていますが、底堅さを確認しながら堅調な展開が続くものと思います。


今週の予想レンジ      2,100.00pt 〜 2,250.00pt


CRB指数

引き続き6月や8月の高値水準をサポートとして確認している状況です。まだ、25日移動平均線に上値を押さえらる状況は続き、いったん75日移動平均線のサポートを確認するような場面も見られるのかもしれません。25日移動平均線と75日移動平均線との乖離もまだ大きいので調整気分は強いと思います。


今週の予想レンジ      260.00pt 〜 285.00pt



日本市場テクニカル分析

日経平均

25日移動平均線は上昇となりましたが、ここからは上昇は見込めなくなり、早急に25日移動平均線を抜けてこないと、25日移動平均線と75日移動平均線が「ニアミス」と言う形でいったん売り急ぐパターンとなってしまうかもしれません。25日移動平均線を抜けてくるのかどうかが注目されますが、再度25日移動平均線に上値を押さえられて上値の重さを確認するようであれば、10月の安値を割り込んで下値を窺うような展開になるのかもしれません。


今週の予想レンジ      9,500.00円 〜 10,100.00円


TOPIX

5月に上昇過程で「窓」を大きく空けた水準、5月の安値水準、7月の安値水準、10月の安値水準である850〜60の水準がサポートとなっています。この水準での底堅さが続くのかどうかが注目されますが、25日移動平均線に上値を押さえられながらも底堅い動きはまだ続くのではないかと思います。75日移動平均線がもう少し下落したところで、25日移動平均線を抜けて上昇となるかどうかが注目されます。抜け切れないようであればこの節目を割り込んでもう一段下の水準800〜850あたりのもみ合いとなってしまうのでしょう。ここが正念場と言うところです。


今週の予想レンジ      855.00pt 〜 900.00pt


日経ジャスダック平均

6月のもみ合い水準、7月の安値水準の節目まで大きく下落となりました。25日移動平均線に続き75日移動平均線も下落に転じ、調整が長引きそうですが、これらの移動平均線との乖離も大きく広がっており、いったんは底堅さも見られるものと思います。この節目の水準=1,150円から60円でいったんもみ合いとなって来るのではないかと思います。


今週の予想レンジ      1,150.00円 〜 1,200.00円


ドル円

25日移動平均線は上昇となっているのですが、その移動平均線に上値を押さえられています。下値も底堅く25日移動平均線から大きく離れるところでは買いも入るようですが、一気に抜けるだけの力はないということのようです。引き続き25日移動平均線に絡みながら75日移動平均線の下落を待っているという状況であり、25日移動平均線を週初に抜ければ75日移動平均線まで戻り、週初に25日移動平均線に上値を押さえられるようであれば、いったん下値を試して調整局面が続くことを確認することになるのでしょう。


今週の予想レンジ      1ドル=88.00円 〜 92.00円



今週のトピック

GDP(国内総生産)

国内総生産はGDP(Gross Dometic Product)と表記されるもので、一定期間のうちに国内で生み出された付加価値の合計です。原則として、市場で取引された財やサービスの生産のみが合計されるもので、その期間に新たに生産されたものではない財、古美術などの取引や製品の原材料となる中間財の取引は計算されません。国内総生産には名目国内総生産(名目GDP)と実質国内総生産(実質GDP)があり、実質GDPは名目GDPから物価変動の影響を除いたものです。 また、名目GDPを実質GDPで割ったものをGDPデフレーターといいます。

現在のようにデフレからの脱却が課題となっているようなときにはGDPデフレーターも注目されます。GDPデフレーターの変動は物価変動ということになり、変化率がプラスであればインフレ、マイナスであればデフレと見ることが出来ます。消費者物価指数や企業物価指数などと大きく異なる点は、GDPデフレーターは輸入物価の上昇による影響を控除した国内の物価水準を表しているという点にあります。 このため、原油価格の上昇により、ガソリン価格が上昇、その結果消費者物価指数が上昇している場合など、消費者物価指数が上昇していてもGDPデフレーターが下落していることもあるのです。

実質GDPが伸びることが成長の条件となっていますが、昨年10〜12月、今年の1〜3月期を底にGDPも徐々に回復しています。この回復傾向が続いていると考えられており、今回発表される7−9月の実質GDPも4−6月期を若干上回り、年率2.5%程度の伸びと考えられています。デフレーターも4−6月に続き若干プラスとなるとの予想が多く、ほぼ前回並みの数字と見られています。引き続き輸出の伸びがGDPを牽引することになりそうですが、個人消費、設備投資がどの程度の伸びとなるのか、改善が見られるのかどうかが注目されます。


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