ウィークリー レポート −今週の相場見通し−     清水洋介

 

雇用に対する懸念は続くが資金の回転は効いており楽観的な見方が強い

 

指数 寄り付き  高値  安値  終値  前週比 
日経平均(11月2日〜11月6日) 9,802.95 円 9,844.31 円 9,717.44 円 9,789.35 円 ▼ 245.39 円
NYダウ(11月2日〜11月6日) 9,789.44 ドル 10,023.42 ドル 9,771.91 ドル 10,023.42 ドル △ 310.69 ドル


今週の相場見通し

米国市場

先週の米国市場は先々週末の急落から、下値を確かめるような展開となり、最後、週末は雇用統計、失業率が予想以上に悪化していたのですが堅調となるなど、いったん下値を確認して堅調となりました。企業業績が回復していることが鮮明になり、景気回復のトレンドには大きな変化はないということで買い直される場面もあったものと思います。まだまだ一進一退という状況には変わりないものと思われますが、徐々に回復を織り込むことになっているようです。

今週は決算発表も一段落、経済指標の発表も少ないということで、商品市況や為替動向、あるいは政治問題などで動きが出そうです。先週末の雇用統計を見て雇用に対する懸念も再び強まっているものと思われ、少しでも雇用や個人消費にとって懸念される材料が出ると敏感に反応してしまうのではないかと思います。懸念される材料が出なければ、商品相場などに波乱がなければ、景気回復を織り込む格好で底堅さも見られるものと思います。

今週は主要な経済指標の発表はほとんどありません。木曜日の新規失業保険申請件数や週末の貿易収支、財政収支の発表などはありますが、特に大きく取りざたされて相場が動くようなこともなさそうです。商品市況の変動や金利の上昇などには敏感に反応することになるのかもしれませんが、大きくトレンドが変わるようなこともないものと思われ、引き続き下値を確認しながら強含みの展開が続くものと思います。


日本市場

先週の日本市場は米国市場が戻り歩調となったにもかかわらず下値を確かめるような動きから底値圏でのもみ合いとなりました。決算発表も続々と行われ、総じて業績回復を示すような発表となっていたのですが、いったん好感して買われても長続きせず、持高調整と見られる売りに押さえられて指数の戻りが鈍くなりました。個別の銘柄には好決算などの材料も出るのですが、市場全体を引き上げるだけの材料にも乏しかったものと思います。

新政権の政策に方向性が見えないことで積極的に買われることにならないものと思います。自動車株などを筆頭に業績の改善が示されても、この先がどうなるのかはっきりとしたないことで、買い気に乏しく、ファンドなどの決算に絡む手仕舞い売りなどが出るととたんに値を消してしまうようです。センチメントの好転が見られないとなかなか素直に業績の改善、景気の回復を織り込むことにならないものと思います。

今週は決算発表が引き続き行われることに加え、火曜日のマネーストックや景気ウォッチャー調査などに始まる景気動向を示す経済指標の発表もあります。特に注目されるのは水曜日の機械受注や週末の鉱工業生産指数、商業販売統計などではないかと思います。機械受注は前回の伸びが芳しくなく、今回の発表は幾分期待されているだけに、可能性は低いのですが思ったほど受注が伸びていないようであれば、売り要因となってしまいそうです。



米国市場テクニカル分析

NYダウ

25日移動平均線を割り込んだところで反発となりました。25日移動平均線の上昇が続いたことになり、強含みの展開が続くものと思います。25日移動平均線をサポートとする状況は変わらず、25日移動平均線と75日移動平均線の乖離もまだ大きくならず、10月の高値を抜けるところまでは期待されるものと思います。


来週の予想レンジ      9,500.00ドル 〜 10,200.00ドル


NASDAQ

75日移動平均線をサポートに25日移動平均線の水準まで反発となりました。ここで25日移動平均線を抜けてくれば、25日移動平均線が上昇にとなり、75日移動平均線と「ニアミス」のような形となって、上昇トレンドを確認することになります。週初に抜けて来るのかどうかが大いに注目され、抜ければ強気、抜けないと再び75日移動平均線のサポートを確認するような動きとなるのでしょう。


今週の予想レンジ      2,050.00pt 〜 2,180.00pt


CRB指数

25日移動平均線を割り込んでしまいました。ただ、引き続き6月や8月の高値水準で下げ止まった格好でもあり、ここからは底堅さを確認することになるのでしょう。25日移動平均線と75日移動平均線の乖離が大きくなったところで、いったんは調整=移動平均同士の乖離を縮小することになる、つまり目先的な過熱感を冷ます動きとなり、ここからは25日移動平均を上値に75日移動平均線を下値にもみ合い、押し目を確認することになるのかもしれません。


今週の予想レンジ      260.00pt 〜 280.00pt



日本市場テクニカル分析

日経平均

25日移動平均線の抵抗を試す動きにもなりませんでした。「デッドクロス」となり、いったん下落トレンドとなったことを確認して下値を探る動きとなっています。25日移動平均線との乖離が大きくなるところでは下げ渋るのでしょうが、しばらくは25日移動平均線に上値を押さえられる動きとなるものと思います。75日移動平均線も下落に転じる可能性もあり、調整が長引くのかもしれません。


今週の予想レンジ      9,500.00円 〜 10,250.00円


TOPIX

7月や10月の安値を意識して底堅く、25日移動平均線と75日移動平均線との乖離も大きくなって来たので、引き続き底堅い動きは続くものと思います。ただ、戻りを試す動きとなっても25日移動平均線に上値を押さえられてしまうような状況はもう少し続くのではないかと思います。


今週の予想レンジ      855.00pt 〜 900.00pt


日経ジャスダック平均

25日移動平均線の抵抗を試す動きとなりました。かろうじて10月の安値水準では下げ止まったかに見えますが、この水準からもう一段下がるようであれば、調整が長引くことになりそうです。8月から9月半ばまでの高値で「三山(三尊)天井」となった可能性が高く目先的には戻りも鈍いものと思います。10月安値を割り込み、7月の安値を割り込んでしまうと今度は7月の高値、9月の高値、10月の高値、で「三山(三尊)天井」となって、今年に入ってからの上昇トレンドが終わり、いったん下落トレンドに変わったことになってしまいそうです。


今週の予想レンジ      1,180.00円 〜 1,230.00円


ドル円

25日移動平均線に絡みながら底堅さを確認しているようです。まだ75日移動平均線に突っかけるような動きでもなく、ようやく25日移動平均線が上向いた段階で大きなトレンドが変わったということでもないのでしょうが、そろそろ75日移動平均につっかけるような戻りを試す動きとなるものと思います。まだ、上値も重いのでしょうが、25日移動平均線がサポートとなって底堅い展開は続くものと思います。


今週の予想レンジ      1ドル=88.00円 〜 92.50円



今週のトピック

マネーストック

マネーストックとは従来は「マネーサプライ」と言われたもので、通過供給量(Money Supply)=金融機関と政府を除いた経済主体、つまり一般の法人・企業や個人、地方公共団体等が保有する通貨の量です。現金通貨、普通預金、当座預金、定期預金、外貨預金、譲渡性預金(CD)などをその合計する範囲にしたがって、M1、M2、M3、広義流動性と4つの指標としています。公表時期は月次で、対象月の翌月第6営業日に速報が公表されます。(3、9月分は第8営業日)

マネーストックは、通貨の量を示す指標であり、すぐに使える普通預金に多くお金が流れているのか、それとも将来に備えて定期預金に多く流れているのかなど、「お金の流れ」を掴むためにこの統計は利用されます。したがって日銀の金融政策のなかで、お金の流れの方向を見極め、滞らないように流れを変化させるようなときの判断材料とされるものの一つです。たとえば、すぐに資金が移動してしまうであろう普通預金や当座預金が多くなると、次にその資金が「モノ」に流れる可能性も高くなるのです。 逆に固定されてしまうようであれば、お金の流れが止まり、「モノ」が動き難くなる可能性があるということなのです。

また、「マネタリーベース統計」=日本銀行が金融部門を含めた経済全体に供給する通貨量を集計した統計もマネーストック統計の前に発表され、資金が日銀に滞留しているのか、あるいは金融機関に滞留しているのがか、どこで資金の流れが止まってしまっているのかなどを見るものとして使われます。つまり、お金の流れから経済の情勢を知る上で重要な統計ということになります。


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